スイス軍がティチーノ州の病院支援へ
3月14日(土)感染者1516人 死亡11人
スイス軍が13日夜から、感染が最も深刻なティチーノ州にあるベリンツォーナのサンジョバンニ病院、ルガーノのシビコ病院に軍の人員23人を派遣。物資の支援も始めました。
Schweizer Armee unterstützt Notstationen im Tessin. Spitalplätze werden durch Armeezelte geschaffen. Zusammenarbeit zwischen Armee, Sanitätsorganisationen und Zivilschutz für die hiesige Bevölkerung funktionieren gut. Herzlichen Dank allen im Einsatz stehenden Kräften. pic.twitter.com/ztWEufY9Nl
— VBS – DDPS (@vbs_ddps) March 15, 2020
米国の欧州からの入国禁止がこの日始まります。
ベルン州もスキー場の閉鎖を決めました。
政府の大規模な措置が発表された後の週末、スイス国内では買い占めが目立つようになります。

チューリヒ市内のスーパーマーケットcoop(生協とは無関係)では、乾燥パスタやトマトソース、缶詰類が軒並み売り切れ。シリアル系も品薄です。あとなぜか床・お風呂用洗剤も。

またこの日、アッペンツェル・インナーローデン準州(人口1万6千人)で初の感染者を確認。これで全ての州で感染者が出たことになります。
スイス軍は16日から当面、兵役義務の人が初年度に通う訓練校を休校にすると発表しました。
ティチーノ州が店舗の営業停止
ティチーノ州政府は同日夕、さらに踏み込んだ措置を発表します。
すべてのレストラン、バーなどの店舗に対し営業停止を命じました。ただしスーパーや薬局など、生活必需品を売る店は除外。同州ではこの時点で感染者が250人超、死亡者は国内全体の約半数にあたる5人に増えていました。
フランスもこの日深夜0時から、必需サービスを除く店舗の営業停止が始まります。スペインは国内に外出禁止令を出しました。
3月15日(日)感染者1742人 死亡17人
国よりも先に「非常事態」宣言を出す州が相次ぎます。
連邦政府会見から2日後、バーゼル・ラント準州、ジュラ州、ヌーシャテル州、グラウビュンデン州の4州が「非常事態」を宣言。店舗の閉鎖やイベントの禁止を講じました。
連邦議会は春季議会を会期途中で打ち切りました。

スイス連邦議会
ドイツが16日午前8時からスイス、フランス、オーストリアの国境検問を実施すると発表。物流、仕事以外の通過が制限されることになりました。
スイス連邦内閣は同日夕、緊急閣議を開き、13日発表した措置の効果を話し合いました。
3月16日(月)感染2350人 死亡26人
このあたりから感染者が右肩上がりに増え始めます。
ジュネーブ州、ヴァレー州、ヴォー州がこの日「非常事態」を宣言。26州のうち、ティチーノ州を含む8州が「非常事態」を宣言する事態に発展しました。
チューリヒ州で初の死亡者を確認。スイスは10万人あたりの感染者がイタリアに次ぎ2番目に多い国になります。またドイツでも店舗の営業停止が決まりました。
またこの日は朝9時ごろから通信大手スイスコムで通信障害が発生。ホームオフィスをする人たちが増え、通常の3倍の通信量があったそうです。

ドイツでも店舗の営業停止が決まりました。
国内の店舗を営業停止へ
連邦内閣は前回の会見からわずか3日後、再び会見を開き、感染症法第7条を適用して生活必需サービスを除くすべての店舗、映画館、レストラン、バー、図書館、博物館、コンサートホール、カジノ、スポーツ施設、フィットネスセンター、スキー場などの営業を4月19日まで禁止すると発表しました。
すでに非常事態宣言を出した州の措置が、全国に広がることになります。
「異常な状況」とされる場合、連邦内閣は国全体または国の個々の部分に必要な措置を命じることができる。
その他営業が禁止されるもの
・美容院、美容サロン(客との距離が近いため)
その他営業が認められるもの
・病院、クリニック、医院(緊急性のない医療行為、セラピーは禁止)
・テイクアウト、社員食堂、食事の宅配、駅、銀行、郵便局、ホテル、公共機関、社会施設
・輸送手段の作業場(2m以上の距離を開けること、衛生手段の徹底が守れる場合)
・保育所(私立の保育所に預かり先がない親には、州が緊急で保育サービスを提供)
高齢者には改めて外出を自粛するよう呼び掛けます。
また欧州連合(EU)の入国制限に伴い、シェンゲン域内の国境通過も大幅に制限し、隣国からの入国者はスイス人、滞在許可証保持者、仕事を理由にした人に限るとしました。
さらにこの日の会見を象徴したのが、第二次世界大戦以降では最も大規模となる、スイス軍の人員最大8千人を医療・輸送・警察業務に投入すると発表したこと。
期間は6月末までで、病院での看護、衛生物資の輸送のほか、簡易インフラの設営支援、州警察の業務支援に入ることになります。
シモネッタ・ソマルーガ連邦大統領は「ウイルス拡大を遅らせるには、国民全員がこの措置を守ることが不可欠」と強く訴えました。
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