新型コロナウイルス スイスで何が起こったか⑨ 27日からロックダウン緩和

Swiss News

スイスではイースター休暇が開けます。新型コロナウイルスの感染者数が低い数値で落ち着き、連邦政府はロックダウンを3段階で緩和する計画を発表しました。4月13日〜17日までの動きです。

この記事でわかること
・連邦内閣がロックダウンの緩和策を発表
・子供はウイルスの媒介者にならない?保健庁が回答

4月13日(月)感染者2万5950人 死亡1206人 イースター休暇最終日

イースター休暇中の新規感染者数は1日200〜300人単位で推移。アラン・ベルセ内相はスイス公共放送(SRF)に対し、国民が政府の措置をきちんと守ったと評価。「緩やかなロックダウン緩和に向け動くことができそうだ」と述べました。

Bund zieht Corona-Osterbilanz - «Können in Richtung Lockerung gehen, aber vorbei ist es nicht»
Gesundheitsminister Alain Berset kündigt eine Aufweichung der Massnahmen an, will dabei aber langsam vorgehen.

ダニエル・コッホ氏が65歳で定年を迎えました。

4月14日(火)感染者2万6268人 死亡1247人

隣国オーストリアではこの日から、一足早くロックダウンの緩和が始まります。

売り場面積400平方メートル未満の店舗、建設現場、草木市場が再開。ただしエリア内の人数制限、マスク着用を義務付けます。公共交通機関でのマスク着用もこの日始まりました。

イースター休暇開けの政府会見で、保健庁危機管理・国際協働班のパトリック・マティス班長が開口一番、休暇中に国民が政府の措置をよく守ってくれた、とお礼を述べます

さらにここ数日の新規感染者数が200〜300人で落ち着いていることから、「感染のピークに達したか?」と記者が質問。マティス氏は「断言はできないが、我々はそうみている」と話しました。

↓こちら若かりし頃のマティス氏。どことなくジャック・ニコルソンに似てます。

マスクの着用義務について問われると「使い捨てマスクだと1日に何回もかえなければならず、数億枚のマスクが必要になる。スイスにはそれだけの在庫がない」とし、これまでの内閣の答弁と同様、マスクの義務付けは考えていないと話します。

14.04.2020 – Point de Presse Coronavirus

アラン・ベルセ内相と保健庁のダニエル・コッホ氏はこの日、グラウビュンデン州を現地視察。ベルセ氏は現地での会見で「イースター休暇中は国民が措置をよく守ってくれた」とコメントしました。

スイスの空の玄関口、チューリヒ空港はこの日、3月の利用者が89万134人で、前年の同じ月に比べて63.2%減少したと発表します。空の交通は新型コロナウイルスの影響をもろに受けたことがよくわかります。

スイス公共放送(SRF)によると、スイス初の国産マスクの製造が始まりました。原材料の到着が遅れて操業が2週間ほどずれ込んだそうです。当面は週に7万枚を生産し、企業・個人向けに販売するそうです。

4月15日(水)感染者2万6586人 死亡1300人

ドイツがこの日、ロックダウン緩和策を発表。800m2未満の店は来週から、学校・美容院は5月4日に再開、大規模イベントは8月末まで禁止にする、という内容でした。

美容院を27日から再開

4月16日(木)感染者2万6886人 死亡1341人

スイスインターナショナルエアラインズはこの日、現在の最小限の運行本数を5月17日まで延長すると発表しました。

連邦政府はまた、買い物だけを理由に国境を超え、スイスに戻ってきた場合は100フランの罰金を科す発表します。

スイスは物価が高いので、国境沿いに住む人はよくドイツやイタリア、フランスに買い物に行きます。日用品や食料は半額以下、さらに付加価値税(VAT)も免除されるので、生活費がかなり浮きます。品揃えの乏しいスイスにはないものが売っている、という理由もあるようです。

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買い物ツーリズムに罰金1万円 スイス
連邦政府は16日、買い物だけを理由にスイスの国境を越える「ショッピングツーリズム」に罰金100フラン(約1万1千円)を科すと発表した。新型コロナウイルスで国境制限が続く中、物価が安い隣国に買い物に出かける人たちが後を絶たないためだ。

スイス政府はこの日会見し、ロックダウンを三段階に分けて緩和する発表します。

第1段階(4月27日):美容院、マッサージサロン、美容サロン、ガーデニング用品店、ホームセンター、花屋などの個人向け店舗を再開。これまで禁止されていた非緊急の手術のほか、リハビリ医院、歯科医なども通常の業務を再開する。

第2段階(5月11日):義務教育の幼稚園・小中学校、27日の対象に含まれなかった全ての店舗を再開。

第3段階(6月8日):高等学校、職業学校、大学のキャンパス上での授業を再開。美術館、博物館、動物園、図書館も再開。

レストラン・バー、大規模イベントの再開については具体的な日程を定めず

※ただし第1段階に入った後も、感染者数の推移などをモニタリングし、4月29日の閣議で予定通り次の措置に移るかを決める。

マスクの着用は義務付けない

※相手との距離を2メートル空ける and 手洗いなどの衛生基準は今後も継続

※入国制限は協議中

また職業訓練生、高校生の修了・卒業試験についても救済措置を設けると発表しました。

16.04.2020 – BR S. Sommaruga – BR A. Berset – BR G. Parmelin zu Coronavirus (COVID-19)

なぜ、美容院など最も濃厚接触が避けられない店舗を先に再開させるのか。アラン・ベルセ内相はこの記者の質問に

・1対1のサービスであること

・顧客の連絡先、いつ濃厚接触したかがわかるので追跡が容易

・衛生対策が普段からとられている

・人口の大きな移動がない

・大きな集団にならない

・需要が多い

と説明します。

経済界の反応はどうだったのでしょうか。

経済団体エコノミー・スイスは「入国制限を緩和すべき。また全ての小売店の再開が5月11日まで待たなければならないのは理解できない」と辛辣。スイスの中小企業が加盟するスイス商工業組合も「なぜ大企業ばかり自由に経済活動ができて、中小企業の操業は停止したままなのか。これは差別だ」と強く批判し、軌道修正を求めました。

飲食店業者で作る団体ガストロ・スイスは、具体的な再開の日程が示されなかったことに「大変残念」と失望をあらわにします。

もちろん、再開が認められた美容師業界やガーデニング洋品店、花屋などは歓迎ムードでした。

4月17日(金)感染者2万7492人 死亡1425人

ロシュはこの日、5月にも新しい抗体検査キットを欧州市場で販売できる、と発表します。

3年に一度開かれるヨーデルの全国大会、連邦ヨーデルフェストは6月末にバーゼルで開かれる予定でしたが、来年の2021年に延期が決まりました

2019年の大会、©️Peter Wehrli

この日は政府の会見が行われました。ここでは5月11日に休校解除がきまったことに対し、ある質問があがります。

それは「子供からウイルスが感染することはないのか?」ということ。

これに対し保健庁のダニエル・コッホ氏は「非常に高い確度で、子供はこのウイルスの媒介者ではないといえる。子供は感染してもほとんど重症化しないため、早期の再開が可能になる」とコメントしました。

経済管轄局(SECO)のボリス・ツルヒャー氏は国内の失業者が15万1千人だったとし「増加幅が緩やかになってきている」とコメント。短時間勤務補償を受けている労働者の全労働力に占める割合は国内平均が34%、感染が深刻な南部ティチーノ州では52%に達したと説明しました。今までと同様、ホテル、飲食、文化部門の労働者が圧倒的です。

17.04.2020 – Point de Presse Coronavirus

⑩に続く

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