新型コロナウイルス スイスで何が起こったか⑫コロナ臨時議会

Swiss News
コロナ臨時議会は連邦議事堂ではなく郊外のメッセで行われた©️BERNEXPO

スイスではロックダウン緩和が始まり最初の週末がすぎました。週明けからは、コロナ臨時議会が始まります。5月2日〜8日の動きです。

この記事でわかること
・週末に「違法」なデモ
・新規感染者が初めて100人下回る
・ジュネーブの無料食料配給に長蛇の列
・コロナ臨時議会が開会
・史上初めて両院議長が国民とライブ対談
・死亡者の半分が高齢者施設の入居者

5月2日(土)感染者2万9759人 死亡1799人

ロックダウン緩和が始まって初の週末、首都ベルンの連邦議事堂前広場には300人が集まり、緊急事態の停止や基本的人権を求めるデモを行いました。 スイスではまだ5人超の集まりが禁止されている中での抗議活動です。警察は最初静観していましたが、最終的には参加者に広場から出るよう促しました。

Gegen Einschränkungen - Corona-Demo auf dem Bundesplatz
Vor dem Bundeshaus haben etwa 300 Leute für Grundrechte auch in Zeiten von Corona demonstriert.

また、カリン・ケラー・ズッター司法警察相が地元紙タグ・ブラットのインタビューで、政府の制限緩和について語りました。 彼女によると、大幅前倒しと思われたレストラン・スポーツ・文化施設の再開は、(第1段階の緩和を発表した4月16日時点ですでに、第2段階での解除を目指し内務省へ指示を出していました。 同氏は「(16日の会見の)コミュニケーションが最適ではなかった」と非を認めました。 インタビューの全文は下記から日本語で読めます。

スイス司法相、地元紙のインタビューで新型コロナ語る
スイスのカリン・ケラー・ズッター司法警察相が、国内紙タグブラットのインタビューで、内閣の新型コロナウイルス対策について語りました。以下は記事の全文を訳したものです。

シモネッタ・ソマルーガ連邦大統領はこの日、ティチーノ州のスイス郵便集配センターを視察。ロックダウン中に物資輸送で多大な貢献をした郵便事業に感謝するとともに、深刻な影響を受けている観光産業にも触れました。

News-Clip - Bundespräsidentin Simonetta Sommaruga im Tessin - Play SRF
Auf Play SRF können Sie zahlreiche TV-Sendungen von SRF online ansehen, wann und so oft Sie wollen.

5月3日(日)感染者2万9819人 死亡1807人

スイスの製薬大手ロシュ(本社・バーゼル)は3日、同社開発の血清学的検査(抗体検査)が米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を取得したと発表しました。

ロシュによると、この「Elecsys Anti-SARS-CoV-2」検査の特異度(正しく陰性と判断する確率)は99.8%で、偽陽性の可能性は極めて低いといいます。また抗体は100%の確率で検出できるとしています。 この日の新規感染者数は前日比88人で、初めて100人を下回りました

ティチーノ州の国境検問所のうち3カ所(Ponte Cremenaga, Brusino, Ligornetto)が4日から再開されることになりました。連邦税関事務局によると、ロックダウン緩和後、越境者の数が10%増えたためです。

週末にジュネーブで行われた食料品の無料配布に数千人が長蛇の列を作り、この様子が大きな話題になりました。集まったのは多くが「サン・パピエ」と呼ばれる不法移民ら。裕福なイメージを持たれるスイスの貧困層が浮き彫りにされました。

貧困の人々、コロナの影響深刻に
ジュネーブの食糧配給に集まった人たちへの聞き取り調査で、新型コロナウイルスが貧困ラインに近い状態で暮らす人たちへ及ぼす影響は、そうでない人に比べ4.5倍高いことが分かった。

コロナ特別議会が開会

5月4日(月)感染者2万9879人 死亡1814人

スイス連邦議会の特別議会が開会しました。非常事態中、議会の承認を得ずに出された内閣の緊急コロナ対策を改めて協議することが目的です。

スイス、新型コロナ臨時議会が開会
4日、スイス連邦議会の臨時議会が開会した。新型コロナウイルス危機下で政府が講じたさまざまな緊急措置を話し合う。

ティチーノ州ではこの日産業停止命令が解かれ、工事現場などでの作業が解禁されました。 この日、連邦政府の会見が開かれ、経済省経済管轄局(SECO)は、政府の操業短縮制度に18万7000事業所、従業員約200万人が申請したと発表しました。

04.05.2020 – Point de Presse Coronavirus

バーゼル・シュタット準州はこの日、毎年7月31日に開かれる建国記念日(8月1日)の花火、翌1日の記念行事を中止すると発表しました。バーゼルで行われる花火は毎年10万人が訪れる人気イベントです。

イタリアは2カ月ぶりに外出禁止令が解かれ、市民が散歩に出かけたり、スポーツをすることができるようになりました。オーストリアでも高齢者施設への訪問が制限つきで解禁になり、学校の授業も再開しました。

ドイツはスイスなど隣国への国境制限を5月15日まで延長すると発表しました。

5月5日(火)感染者2万9938人 死亡1827人

連邦議会の両院議長はこの日、議会史上初の「国民とのライブ対談」を行いました。 コロナ政策に対する国民の疑問に、上下院の議長が直接答えますーという触れ込みで、約1時間にわたって行われました(下記の動画参照)。

スイス公共放送(SRF)によると、視聴者は大体60〜70人だったようです。 6月9日に第2回のライブ対談が予定されています。

Aufzeichnung Video-Chat / Chat en direct: NRP Isabelle Moret & SRP Hans Stöckli

間接追跡アプリは関連法が必要

政府が進めている感染追跡アプリについて、両院は国民への一般提供に際しては連邦法の制定が必要、という結論を出しました。 アプリはほぼ始動できる状態でしたが、議会は法的根拠の不在を問題視していました。

このため政府は早急に関連法案を作り、6月の夏議会に提出。ここで両院の承認が得られれば、早くても7月に一般向けに供給される見込みです。ただテスト施行はこの限りではありません。 仕組みについてはこちらの動画がとてもわかりやすいです。

SRF News - NICHT VERWENDEN: Fünf Fakten über die Schweizer Contact-Tracing-App - Play SRF
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要約すると

①アプリをDLしたスマホ同士が2m、15分以上濃厚接触
②アプリがBluetooth機能を使い、匿名化された文字列コードを端末同士で交換
③コードごとに距離と時間が保存され、アプリが感染が可能かを計算
④アプリのユーザーが検査で陽性になると、医師から文字列コードをもらえる
⑤アプリに登録すると、サーバーが匿名の情報を転送
⑥アプリが過去に濃厚接触した端末に警告を送る
⑦警告を受けた相手は、すぐに自己隔離に移れる
データ保護は大丈夫?
→データは各スマホの端末で保存
→政府にアクセス権限はなし
→保存されるのは文字列コードだけで個人の連絡先や名前、位置情報は含まれない →保存されたデータは3週間後に自動消去

という感じです。

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